クレジットカードを使った買い物をする際には、手数料をさほど気にせずに決済している人が多いです。しかし、カード会社は営利目的でクレジットカード事業を営んでいるので、少なくとも複数の手数料が発生しています。では、実際にどのような手数料が徴収されているのでしょうか。

クレジットカードは手数料収入で成り立っている

クレジットカードは、年会費永年無料のクレジットカードが発行されていることからも分かるように、手数料収入により事業が成り立っています。大きく分けると、以下の2種類の手数料が中心です。
①加盟店が支払うカード決済手数料
②消費者が支払う分割払い金利手数料とリボ払い手数料
このうち、加盟店が支払うカード決済手数料は、消費者の目に触れないように利用規約で厳しく隠されています。

年会費無料のクレジットカードは何を収入源としているのか

年会費無料のクレジットカードは、初年度のみ年会費無料というタイプだけでなく、年会費永年無料というクレジットカードが存在します。では、年会費永年無料にも関わらずなぜポイント還元を付与出来るのでしょうか。実は、消費者がクレジットカード決済を行うと、販売店はカード決済手数料をカード会社から強制的に徴収された上で残りの金額を後日まとめて振り込まれる仕組みが採用されています。販売店からカード決済手数料を徴収した中からポイント還元費用を捻出しているので、ポイント還元よりも遥かに高額なカード決済手数料が設定されているわけです。また、クレジットカードを利用する際に分割払いやリボ払いを利用すると、金利手数料を分割払いの状況に応じて支払うことになるので、借金を行った時の利息払いに相当する金額を分割払い手数料として支払っていることになります。

クレジットカードを使うとポイント還元を受けられるのは手数料が元手

クレジットカードを使った際に付与されるポイントは、カード決済手数料が3%~8%という高額設定となっているために、1%ポイント還元を行っても十分な利益が出ます。ポイントに有効期限を設けることで、実際に使用されるポイントが半分程度に抑えられることから、永久にポイントが消滅しないポイント還元率ほど低くなりがちです。カード会社は他社との差別化を行うためにポイント還元を行っていますが、いくらポイント還元をおこなってもカード決済手数料よりも遥かに低いためにクレジットカード利用金額が増えるほどカード会社の手元に残る利益は大きくなります。

ステータスカードはホスピタリティを重視する

年会費が1万円以上となるプラチナカード以上のステータスカードは、ポイント還元率が高いだけでなくコンシェルジュサービスや空港ラウンジサービスといったホスピタリティを重視した運営を行っています。一般カードと比較してポイント還元率が高いことは、毎月の利用金額が多いことからカード会社側にもメリットはあり、手数料が多く入る分だけ還元率を高くしても利益が見込めるわけです。年会費は主に一般カードには無い特典を安定して提供するために使われるので、常に年会費が一定とは限りません。

クレジットカード加盟店が支払うカード決済手数料

クレジットカードにおいて最もカード会社が大きな利益を得る部分は、ショッピング利用時のカード決済手数料と考えられます。なぜなら、カード決済手数料は販売店が自社の決済システムを使った上で会計を行うだけで、常に一定割合の決済手数料を受け取れるからです。消費者からは見えない手数料となっているために、加盟店申請を検討したことが無い人にとってはクレジットカード決済手数料がいかに日本では高額となっているのか知らない状態です。

クレジットカード加盟店は高額なカード決済手数料を負担している

クレジットカード加盟店は、高額なカード決済手数料を負担した上でカード会社による立て替え払いを利用しています。日本国内では、カード決済手数料の割合が3%~8%が一般的ですが、一部の業種では15%~20%という信じられないような高額設定となっている場合が少なくありません。しかし、普段消費者がカード決済手数料を意識することが無い理由は、現金払いとカード決済時で差を設けてはならないことになっているからです。カード会社により利用規約の具体的な記載内容は異なるものの、カード決済手数料について消費者へ内容を開示して上乗せ請求してはならないことになっています。このため、カード決済手数料が1%といった安い加盟店は大した手数料となりませんが、カード決済手数料が8%の加盟店にとってはなるべく現金払いにして欲しいと考える理由が分かるはずです。実際に中華人民共和国のQRコード決済では、決済手数料が0.5%と極めて安価に設定されているので、日本のクレジットカードと比較しても1/10程度の手数料が設定されています。

加盟店が支払う手数料はカード会社との力関係で決まる

加盟店が支払うカード決済手数料は、カード会社と加盟店の力関係により手数料率が変わるので、同じ業種であっても3%~20%まで様々です。VISAやMasterCardブランドが付帯されたクレジットカードは3%~5%が多いですが、JCBでは5%~8%が一般的な手数料率となります。カード決済手数料が高額になることを嫌がる中小企業が運営する店舗では、JCBが使えないといった例が多いのはカード決済手数料の高さが原因の1つです。また、風俗店では決済代行会社を間に挟むことになるので、決済代行会社に対する手数料が発生します。10%~20%という高額なカード決済手数料は、クレジットカード不正利用に対するセキュリティ管理費用が含まれていると考えれば納得出来るはずです。

カード決済手数料は消費者に請求すると加盟店規約違反となる

事業を起こした経験が無い場合には、クレジットカード決済手数料の基本的なルールを知らない人が少なくありません。クレジットカード決済は、現金と同じ金額で決済することが求められているので、カード決済手数料を別途差し引いて残りの金額しかカード会社から入金されないことが零細企業にとって経営圧迫原因となるわけです。カード会社手数料は加盟店が負担しなければならず、手数料を消費者へ転嫁することも禁止されていることが、クレジットカード普及の妨げとなっています。海外と比較してもカード決済手数料が高いことで知られているJCBを筆頭として、加盟店にとってはなるべく現金決済をして欲しいと考えている状況です。このため、なるべくカード会社に通報されない程度のクレジットカード払いと現金払いに差を設けている例が出ています。

クレジットカード決済手数料は競合アクワイアラーの有無で変わる

販売店がクレジットカード決済手数料を下げられるかどうかは、提携クレジットカード決済会社に競合が存在するかどうかで決まります。VISAとMasterCardについては、直接国際決済ブランド会社が加盟店を増やすための営業を行っているわけではなく、アクワイアラーと呼ばれる提携クレジットカード決済会社との加盟店契約を行うことで間接的にVISAやMasteCardの取扱が出来るようになっているわけです。そこで、現在提携している決済会社以外に見積もり依頼を出してみると、競合関係が発生して現在提携中のカード決済会社との手数料引き下げ交渉が可能となります。カード決済手数料は、常に固定というわけではなく提携クレジットカード決済会社との交渉により決まる仕組みです。
一方、JCBについてはJCBが直接加盟店とのカード決済手数料を決めているので、間にアクワイアラーを挟まないからこそカード決済手数料が高止まりしてしまいます。近年、日本国内でもカード決済手数料の高さとクレジットカード決済比率上昇により、売上発生タイミング・仕入れ決済時期・カード会社からの入金時期によるタイムラグが原因で黒字倒産する加盟店が増えている状況です。薄利多売かつ値上げを努力でなるべく抑えている優良店ほど、JCBカードの取扱を取り止めてVISAとMasterCardのみとしている店舗が増えています。海外と同水準までカード決済手数料が引き下げられることが無い限りは、クレジットカード決済比率が外国ほど高くはならないと考えられるわけです。

消費者が支払うクレジットカードの分割払い手数料

消費者がカード会社へ支払う手数料は、年会費とは別に特定の取引を行った場合のみ負担する仕組みです。クレジットカードは、一括払いと2回払いのみ分割金利手数料がかからないことになっていますが、2回払いという仕組み自体が海外では見掛けない日本独自のものと知っている人は少ないです。実際に、分割金利手数料とリボ払い手数料はどちらも手数料という名称が付いているものの、中身は借金の利息と変わりません。

消費者は分割払いやリボ払いで高額な分割払い手数料を支払う

消費者が支払う分割払いやリボ払いでの分割金利手数料は、ショッピング利用時なら数%~15%程度とバラバラです。カード会社は、加盟店からカード決済手数料を受け取りつつ消費者からも分割払い手数料やリボ払い手数料という形で実質的な利息を受け取っています。ショッピング利用時は加盟店と消費者両方から手数料を受け取れるからこそ、キャッシングよりも低金利設定が行われているわけです。

キャッシング時の金利はカード決済手数料が入らない分だけ高い

クレジットカードには、希望制により審査を経た上でキャッシング枠を設定可能です。全てのクレジットカードにキャッシング枠設定があるわけではなく、一部のクレジットカードについてショッピング枠のうち一部をキャッシング枠設定出来るように利用規約で定められています。クレジットカードは、加盟店でショッピング利用してもらうことによりカード決済手数料と分割払いまたはリボ払い時の分割払い手数料の2重取りによりカード会社が高い利益を挙げられる仕組みです。しかし、キャッシングは直接クレジットカードを使って現金を融資することになるので、カード会社が受け取れるのは分割金利手数料という名の利息のみとなります。クレジットカードのキャッシング枠を使った際には、利息制限法で定められた上限金利ギリギリの15%~20%という極めて高額な金利設定が行われていることは、貸し倒れリスクとなるべくキャッシング枠を使って欲しく無いという表れです。

クレジットカードは加盟店と消費者の両方から手数料を得て運営されている
クレジットカードを使うと、現金払いと同じ金額でありながらポイントまで付いてお得と考える人が増えています。しかし、カード会社は営利目的でクレジットカード事業を営んでいるので、加盟店からはカード決済手数料を徴収し、消費者からは年会費と分割払いまたはリボ払い手数料という形で手数料を得ています。クレジットカードの手数料は、目に見える部分だけとは限らない点に注意が必要です。多額の手数料を支払わないためにも、クレジットカードは一括払いまたは2回払いのどちらか限定で利用すると良いです。